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矯正歯科ブログ Blog

矯正歯科認定医とは?認定医の種類と、認定医の取得条件について

岡山県倉敷市新田のロッソ矯正歯科 赤木です。

矯正歯科の認定医の種類や、認定医を取得するためには何が必要だったのか記載したいと思います。

矯正歯科の分野において、

日本矯正歯科学会  
日本成人矯正歯科学会  
日本矯正歯科協会 

 上記3団体があります。その他の矯正に関わる団体はありますが、割愛しています。
その中で、日本矯正歯科学会が会員数が一番多いです。

 ちなみに、世界においてはアメリカ矯正歯科学会ヨーロッパ矯正歯科学会と様々な国で矯正の団体が存在します。
ヨーロッパ矯正歯科学会には、先輩の先生方と定期的に勉強しに行っていたため、今では良い思い出です。
イタリア、スウェーデン、スイス、フランスなどヨーロッパのいろいろな文化に触れる機会もありました。
学会発表については、下記参照してください。
https://rosso-ortho.com/staff/



 





 私は、歯科医師免許取得後、岡山大学病院で研修医として在籍していました。
その当時、矯正歯科の分野を専門で勉強することは決めていましたが、その後の進路で悩んでいました。
選択肢として、①大学の矯正科に在籍する、②開業医の矯正歯科医院で勤務するの2つの道がありました。

①の場合だと、日本矯正歯科学会の認定医は基本的に大学院の矯正科などで基本研修を受ける条件があるため、臨床、研究の研鑽を積みながら日本矯正歯科学会 認定医がまず一つの目標となります。

②の場合だと、日本矯正歯科学会の認定医の取得は無理で(正確には、私が研修終了して約3年後に基本研修を修めたとみなされる試験が無くなりました。)、日本成人矯正歯科学会、日本矯正歯科協会が1つの目標となります。


 矯正を専門として研鑽する場合は、多くの歯科医師や同期は、①を選択します。
私の場合も①を選択しようと思っておりましたが、父が医療関係で開業しており、開業医でやっていくのであれば臨床をまずはとことん突き詰める必要があるとのアドバイスもあり、少数派が選択する②を選びました。




 今でも後悔はありませんが、少数派が選択する道なため、その分何倍も努力をしないと置いて行かれると思い必死になっていました。
そのため、矯正歯科医院の開業医で週5日働いていましたが、追加で週1日別日で、一般歯科開業医で勉強させて頂き、一般診療を学びながら矯正に活かせるすべを研鑽しました。
 また、矯正歯科治療は基本的に自費診療となりますが、口唇口蓋裂、顎変形症など厚生省が定めた疾患に関しては保険の利く矯正治療があり、特に顎変形症の治療に携わることが多かったので、岡山大学病院の口腔外科に社会人大学院生として在籍しました。

 振り返ると良くやっていたなと思いますが、今も日数的にその頃と変わらないので体が持つ限り研鑽は続ける予定です。



  各団体の取得条件、試験の方法はそれぞれありますが、私の場合、


日本成人矯正歯科学会 認定医取得の条件として

認定医の資格を申請しようとする者は、次の1~3項、あるいは1、2、4項の要件をすべて満たさなければならない。
1、日本の歯科医師免許を有すること。
2,本学会に5年以上継続して在籍していること。但し、本学会入会以前に他の矯正歯科関連学会に在 籍していた場合。
3,本学会認定医研修プログラムを終了しているかあるいは、本学会の認める矯正歯科専門医療機関
(大学歯学部附属病院矯正歯科、その他)に2年以上在籍して矯正歯科基礎研修を修了し、本学会 の実施する認定医申請資格試験に合格していること。但し、本学会の認定研修施設に5年以上在籍 し認定研修プログラムを終了していると認定研修施設の責任者が認めた場合、あるいは本学会の 認める矯正歯科専門医療機関(大学歯学部附属病院矯正歯科、その他)に5年以上在籍して認定研 修プログラムを終了していると認められた者は、この試験を免除する。
4,本学会の認定研修施設あるいは本学会の認める矯正歯科専門医療機関に5年以上在籍していると同等の矯正臨床経験を有すると認められる者は、本学会の認定研修プログラムを修了し、本学会の 実施する認定医申請資格試験に合格していること。



上記の条件をクリア後に、認定医試験を受ける流れとなります。
認定医試験は、私の場合、15症例の患者様の治療前、治療後、装置撤去後2年経過時の資料を揃えなければなりませんでした。
かみ合わせを確認する平行模型というものがありますが、数として、1組を上顎、下顎とすると、1症例3組で、そこから15人分なため45組の模型を準備して、それを試験会場まで郵送し、資料を揃えて、口頭試問を受けました。
段ボールは3箱分あったと思います。

 いま思うと心が折れることもありましたが、周りの方や先輩や後輩に助けてもらい、いろいろと勉強になり良かったと思っています。
認定医取得後は、認定医を5年毎に更新するため学会参加や症例発表などを行い決められたポイントを貯めて更新手続きを行います。
認定医を取得したからといってその後何もしなくて良いわけではなく、努力する必要があります。
認定医取得後、さらに申請条件をクリアすると専門医のカテゴリーがありますが、その話しはまた別の機会があればお伝えできればと思います。
 歯並びの治療をする上でどの歯科医院に行けばよいのかと悩まれると思いますが、認定医取得には、時間がかかるため一つの受診の目安となるのではないでしょうか?

長々となりましたが、患者様がどのような矯正歯科医院を選ぶかの参考になれば幸いです。
また、これから矯正歯科の分野を学んでいく歯科医師の方にも参考になればうれしいです。


日本成人矯正歯科学会 認定医
赤木 秀瑛(アカギ ヒデアキ)