岡山県倉敷市新田のロッソ矯正歯科 赤木です。
マウスピース矯正といっても各社で様々なマウスピース矯正装置がありどれが良いのか分かりにくいと思います。
そのため、マウスピース矯正の種類や特徴について記載したいと思います。
矯正治療はそもそもワイヤーを使用する治療方法として発展してきました。
表につけるワイヤー矯正は歴史として約100年くらいあるのではないでしょうか?
そこから舌側矯正装置といって裏側にワイヤー装置を装着して並べる方法が出てきました。
実は、日本人が世界に先駆けて開発した治療方法となります。
その後、マウスピース矯正の時代が到来して一般的に知られるようになりました。
当院でもワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正(インビザライン、子どもに対応のインビザラインファースト)を希望によって提案しています。
結論から言うとワイヤー矯正が優れており適応とする症例が多く歯を細かく動かすことが出来ますがマウスピース矯正も使う装置と使い方によってはワイヤー矯正と同等に近いくらいのポテンシャルがあると個人的には思っています。
マウスピース型矯正装置の種類は、インビザラインを始めとしてキレイラインなど様々な装置が各社から出ています。
どれも症例によっては素晴らしい結果をもたらすと思いますが、適応となる症例選択を厳密に行い、しっかりとした診断のもと治療計画を立案する必要があります。また装置によって動かす歯の範囲やシステムの違い、金額の違いがありメリット、デメリットがあると思います。
個人的な見解となりますが、当院においてマウスピース型矯正装置は、インビザラインと子どもを対象としたインビザラインファーストを第一選択としています。(注:インビザラインの種類の中でインビザラインGoのシステムは取り入れていません。歯を動かす範囲として奥歯は動かせなかったと思います。)
インビザラインを使用する理由として、
①システムがしっかりしている
治療を円滑に進めるためには、スタッフの力も必要でスタッフ向けのサポートがあります。
また、現在、世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに900万人を超える患者様が治療を受けられています(2020年10月時点)
世界中の様々なかみ合わせを治した例なども見ることができ参考になります。
②クリンチェックというソフトを使用して歯を動かす治療計画を自分自身で立てることが出来る
マウスピース型矯正装置といっても、歯を動かすことはできても予知性のある動かし方、矯正治療上で可能な動かし方など確認して歯を動かす計画を立てる必要があります。
担当する歯科医師によって歯の動かし方に違いがあります。そのため、どの病院で治療を受けるかもマウスピース矯正治療を始める上で大事です。
当院では、インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせることがありワイヤーが得意な動かし方の時はワイヤー矯正を併用することがあります。
どの人もワイヤーを併用するわけではありませんが、保険として用意しています。
③一度資料をとった歯を最後まで並べ最終的なかみ合わせをイメージできる
マウスピース矯正装置によっては毎回来院毎に歯の記録をとって歯を並べることがありますが、インビザラインははじめに記録をとり数十個のマウスピースを一気に作り上げ最終的なかみ合わせをイメージすることができます。
④歯を動かす範囲が広い
インビザラインは、前歯から奥歯まで歯を動かすことができます。また難易度は上がりますが抜歯による矯正治療にも適応されたりしますので、自ずと治療対象の範囲が広くなります。マウスピース矯正の種類によって前歯だけ動かす装置があるため、どの種類のマウスピースを使用して、どこまでの範囲の歯を動かすことができるのか確認するのが良いかもしれません。
⑤アタッチメントの存在
歯の表面に引っ掛かりを作り細かく歯を動かす目的でアタッチメントというものを装着します。マウスピースで歯を動かす際、歯の表面は基本的に滑沢で凸凹がないので歯を細かく動かすのが難しいです。そのため、アタッチメントを一時的につけて歯の表面に人工的な凸凹を作り細かく歯を動かします。アタッチメントを装着するときは、歯を削るわけでないので安心してください。
⑥顎間ゴムと併用できる
顎間ゴムとはワイヤー矯正でも歯を動かすお手伝いとして使用されます。ゴム掛けはご自身で掛けてもらうものです。
ゴム掛けはワイヤー矯正でもインビザラインでの治療においても大事なことなので使用をお願いしています。
上記の理由で、当院ではインビザラインを第一選択にしています。
マウスピース矯正治療を検討している場合、どのような装置を使用してどのようなことができるのか治療を開始する前に確認するのが良いかもしれません。
これまでは良いところばかりのインビザラインですが、強いて欠点をあげるなら
①装置の金額が高い
装置の金額が高いということは患者様に負担している金額も高くなってしまいます。もう少し安くならないかなと思ってしまいます。
②海外から装置が送られてくる
海外から装置が送られてくるので空輸によっては装置が届くのに時間がかかるのが欠点です。
記録を送ってからは遅くとも1か月以内に届くことが多いですが空輸の状況によって患者様の予約の変更をお願いすることがあります。
③一時的に奥歯が咬みにくい
マウスピース矯正あるあるとなりますが、ワイヤー矯正と比較して奥歯が咬みにくい時期が出てきますので奥歯が咬むように追加の調整が必要となることがあります。
④歯を少ししか動かさなくてすむ人にとって金額が高い
歯を動かす量やかみ合わせによって難易度が変わります。割合として少ないですが少ししか歯を動かさずに済む場合や矯正治療後の再治療などはキレイライン等を使用する方がコスト面でよいかもしれません。その場合、当院では費用を抑えた方法を提案することがあります。
当院では、インビザラインを開始するときに記録をとるアイテロという口腔内カメラがあります。
昔は型どりをして記録を送っていましたが、現在は口腔内スキャンを行い記録を送ることで資料のやり取りの短縮を図ることができます。
インビザラインの歴史はワイヤーと比較してまだ浅くどんどん発達している分野なため、私自身も置いて行かれないよう日々研鑽するよう努力しています。
みなさまの参考になれば幸いです。
下記にインビザライン、キレイラインなどについてのURLを添付しています。
・インビザラインジャパンで表記している倉敷市のインビザラインを使用している医院(2021年6月時点)
掲載していない歯科医院もあるかもしれないので参考程度にしてください。
周辺地図検索|インビザライン・ジャパン (invisalignjapan-find-a-doctor.jp)
・参考として、マウスピース矯正について詳しく説明されている動画のリンクを貼っています。
著名な矯正専門の歯科医師の先生の動画で個人的にわかりやすかったです。
インビザラインはどこでする?なぜ、歯医者によっていうことが違うのか?安心できるインビザラインドクターの選び方がわかります! – YouTube
やってはいけない!『安いが売り』のマウスピース矯正 – YouTube
日本成人矯正歯科学会 認定医
赤木 秀瑛(Hideaki Akagi)