岡山県倉敷市新田のロッソ矯正歯科 赤木です。
遠隔診療の一環として、「デンタルモニタリング」というものがありますが、ご存知ですか?
Dental Monitoring とは
デンタルモニタリングは患者様自身にスマホで写真を定期的に撮っていただき、矯正治療が順調に進んでいるか遠隔でチェックするシステムです。
デンタルモニタリングは海外では数を増やしていますが、日本においてはDental Monitoring Japan株式会社(デンタルモニタリングジャパン)が2022年4月15日に設立されているため、国内ではまだ導入している医院は少ないかもしれません。
矯正治療中の患者様がデンタルモニタリングを利用することで、来院頻度を少なくできる可能性があり特にマウスピース型矯正装置のインビザライン、インビザラインファーストを使用する矯正治療に対して相性が良いと思います。
デンタルモニタリングは、毎週アライナー交換時などにアライナーを装着したままスマホを専用の装置とアプリを使用してお口の中の写真を撮影します。撮影した画像は、AI(人工知能)と当院ドクターとでチェックをおこない病院に通院することなく適合状態の確認をすることができます。
従来のインビザライン治療においては、歯とマウスピースとの適合が悪くなり再製作が必要になることもあり、どうしても1~2か月毎に来院してもらうことがあります。適合が悪いままアライナーの交換が進むとその動きをリカバーする時にさらに期間を要すことがあり定期的に通院してもらようにしています。
しかし、デンタルモニタリングを併用することのメリットとして、
①アプリを通して医院といつでも繋がれる
②アライナー交換のタイミングをAIを通してアプリで毎回確認できる
③緊急時にいつでもスキャン撮影してデータを医院に送ることができる
④装置の不適合を早期に発見できて治療の延長を予防できる
⑤遠方から来院する患者様にとって通院する回数が減る可能性がある
⑥適合が悪くならない限り通院する必要がないため、来院頻度を少なくすることが可能
デンタルモニタリングを使用することで、病院に通院してもらうタイミングはアタッチメントやボタンを装着する場合やアライナーの交換をするためにお口の中の状態の資料採得をする時や、装置を新しくお渡しする時が主となります。
それら以外の処置は遠隔にて対応することができます。
デンタルモニタリングを導入しようと思ったきっかけは、昔から矯正治療中に急に転勤や引っ越し等で県外に行くことになってしまう患者様に対して遠隔で対応できる方法がないかと考えていました。
今回のデンタルモニタリングというシステムを利用することで遠くから来院される方の負担を少なくできるのではないかと思いこのシステムを導入しました。
また、県内や県外でも通院はなかなかできないけど矯正治療を始めてみたい方や近くにお住まいの方でも、治療中であり主にインビザライン、インビザラインファーストを使用しており協力度が高い方であれば適応致します。
(協力度が低い、使用頻度が少ないなどであればせっかくデンタルモニタリングを導入しても頻繁に通院する必要がありあまり意味がないです。)
デンタルモニタリングを併用する場合、別料金を頂いていませんので通院毎にかかる調整料が少なくできるといった患者様のメリットがあるかもしれません。
医院側にとっても矯正歯科というものは、治療期間がかかるため患者様を見れる病院のキャパがあり、そのキャパを解消することで新規の患者様に対してのサービスの質を落とすことなく対応できる点があり、相互にメリットがあるシステムだと考えます。
デメリットは、毎回お家で写真を撮って送るのがめんどくさいところがあるためあくまで希望者のみで対応する予定です。
また、フィットをAI(人工知能)などでも確認するため多少のアンフィットはそのまま使用することがありますが、厳しめの判定が出るので心配になってしまうところがあるかもしれません。
新しいシステムはメリット、デメリットや合う合わないなどいろいろと出てきますので相談しながら決めて頂ければと思います。
当院で治療を検討されている方やすでに治療中で、デンタルモニタリングに興味のある方はお声がけください。
日本成人矯正歯科学会 認定医
赤木 秀瑛(Hideaki Akagi)