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矯正歯科ブログ Blog

歯が生えてこない

岡山県倉敷市新田のロッソ矯正歯科 赤木です。

 先日、海外の歯科矯正学の論文を翻訳する勉強会に参加した際(毎週開催されていて参加できるときはできるだけ参加しています。)、埋まっている歯についての論文に触れる機会があったため記載しました。
 ちなみに、その論文はAJODO(American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics)という月間の査読付き雑誌で、矯正歯科の世界では有名な雑誌となります。





「歯がなかなか生えてこない」「埋まっている歯が変な方向に向かっている」など気になったことはありませんか?

 今回は、どのような原因で歯が生えてこないのか、また埋まっている歯が変な方向に生えている場合、どのような治療方法があるか記載していきます。

・歯がなかなか生えてこない理由として代表的なものは、

①あごが狭く歯が生える隙間が少ない

 歯の大きさに個人差もあり、隙間がどれくらい必要かは人によって変わりますが、あごが小さいと歯の並ぶ隙間も少ないことがあります。その場合、歯は生えたくても隙間が少ないため時間がかかったり捻じれながら生えようとすることがあります。
 この場合、子どもの矯正治療であごを広げる治療をおこない歯の並ぶ隙間を作ることで、埋まっている歯が生えやすくなることがあります。

②余分な歯があり、その歯が邪魔で生えてこない

 おとなの歯の本数は親知らずを除くと28本の歯がありますが、まれにそれらを除く余分な歯(過剰歯)が埋まっていることがあります。おとなの歯が生えようと思っても、過剰歯があると過剰歯が邪魔でなかなか歯が生えてこないことがあります。
 この場合、過剰歯のある位置にもよりますが、過剰歯を取ることでおとなの歯が生えてくれることがあります。それでも生えない場合は、埋まっている歯を矯正治療で引っ張り出す(開窓・牽引処置)こともあります。





・埋まっている歯が変な方向に向かっている理由として代表的なものは、

①おとなの歯ができたときから変な方向に向かっている

 この場合、なかなか予防することができないため適切な時期に歯が正しい位置に並ぶよう、子どもの矯正治療であごを広げたりすることで歯の誘導を試みます。


②余分な歯があり、歯が変な方向に向かっている

 この場合、先ほども記載しましたが過剰歯を取ることでおとなの歯の位置が正しい方向に生えてくれることがあります。それでも方向を変えない場合は、埋まっている歯を矯正治療で引っ張り出す(開窓・牽引処置)こともあります。

③治療済みの歯や歯をぶつけたことがある

 子どもの歯にむし歯の治療や根っこの治療をしたことがあるお子さんや、子どもの歯をぶつけたことがあるお子さんは、世の中にたくさんいると思います。おとなの歯が生えようとした時に治療済みの歯や歯をぶつけたことがある場合、自然と生え変わりにくく徐々に歯が変な方向に向いてしまうことがあります。
 この場合、子どもの歯をわざと抜くことでおとなの歯を生えやすい方向に誘導することがあります。それでも生えない場合は、埋まっている歯を矯正治療で引っ張り出す(開窓・牽引処置)こともあります。




 歯がなかなか生えてこない、埋まっている歯が変な方向に向かっていることを放置しておくとどんなことが起きると思いますか?

 放置した場合、歯のがたがた具合が悪化したり、埋まっている歯がさらに変な方向に向くことが考えられます。また、おとなの歯が生えるときに子どもの歯の根っこを吸収しながら生えますが、おとなの歯を子どもの歯と勘違いして、隣にあるおとなの歯の根っこを吸収(歯根吸収)させてしまうことがあります。
 歯の根っこの吸収が進みすぎると歯の寿命が短くなることがあり、矯正治療で改善する際かなり難易度が上がる状況になってしまいます。




 上記より、歯の生え変わる子どもの時期のうちに対応したほうが良いこともあります。
 生え変わりのタイミングがわからないことが多いと思いますので、気になる方はご来院ください。
 歯の生える順番や生え変わりの年齢の平均などはありますが、個人差があるところなため、その点も含めてご説明します。
 また詳細はレントゲン撮影が必要なことがあります。



今回は、歯の生え変わりについてのお話しでした。
皆様の参考になれば幸いです。


日本成人矯正歯科学会 認定医
赤木 秀瑛(Hideaki Akagi)