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矯正歯科ブログ Blog

閉塞性睡眠時無呼吸症候群について

岡山県倉敷市新田のロッソ矯正歯科 赤木です。

 今回は、閉塞性睡眠時無呼吸症候群について当院でできることなどを記載したいと思います。

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中の呼吸が止まってしまう病気のことです。「10秒間以上呼吸が止まる無呼吸」や「もう少しで呼吸が止まりそうな低呼吸」が、睡眠中1時間あたり5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

「いびきをしていて心配」
「口を開けて寝ている」
「呼吸が止まっている気がする」
「たくさん寝ているのに疲れが取れない」
CPAP(シーパップ)を使用して寝ている

など思い当たることがあるかもしれません。



 睡眠時無呼吸症候群の原因として下記が挙げられます。

①肥満による気道周囲の脂肪沈着

②外鼻孔狭窄や鼻中隔彎曲,アレルギー性鼻炎といった鼻疾患
③アデノイド肥大や軟口蓋形態異常といった病態

 さらに、顎や骨の位置の問題として

①顎の奥行きが小さい
②顎が小さく、下顎が標準より後ろ(下顎後退症)に位置している
③舌が大きい

 などが報告されているそうです。


 また、特に小児の無呼吸症候群に対して、肥満よりも顎の形態の問題が重要な因子であるとされていることから、歯科の中でも顎の発育誘導、歯列矯正治療などが、今後、無呼吸症候群の治療法・予防手段として発展が期待されているそうです。





睡眠時無呼吸症候群の治療方法として、歯科医療が貢献できるものは現時点で、

①口腔内装置(保険と自費の方法があります。)

 保険の場合、医科の先生から診療情報提供書において診断書と口腔内装置治療の依頼があった場合に限り適応となります。そのため、医科の先生からの依頼で初めて装置を作製することができます。
 睡眠時無呼吸症候群に対する治療の一環となるため、細かい歯の並びを調整することはできません。また、治療により気道の面積は確保でき改善できたが反対咬合になってしまったという場合にも対応できません。睡眠時無呼吸症候群という病気に対するアプローチのみとなります。


 自費の場合、子どもの矯正治療として全体のかみ合わせも踏まえて治療をおこないます。顎を拡大したり、下顎を前方に移動する治療をおこないます。


②顎顔面外科治療
 手術を併用して治療する方法で、上下顎骨を前方移動して気道の面積を増やすという報告があり、おとなの方が主に対象となります。
 

 これらは、基本的に下顎および舌を前方に移動させることで、気道を拡大し、結果として呼吸を改善する目的で選択されます。
 治療としては、睡眠呼吸障害が発生した後から治療を開始することが一般的です。

 そこで、将来、睡眠呼吸障害が発生するリスクの高いと考えられる小下顎症の患者において、顎骨の成長期から健常な発育を促し、健全な咬合と顎顔面形態を成育して睡眠時無呼吸症候群 の予防を行うという考え方が、近年,注目されているようです。


 歯科の領域でも日本睡眠歯科学会が活動していますので参考にしてみてください。




長々と記載しましたが、皆様の参考になれば幸いです。
気になることがありましたらご来院下さい。

日本成人矯正歯科学会 認定医
赤木 秀瑛(Hideaki Akagi)