
マウスピース矯正(マウスピース型カスタムメイド矯正装置〈インビザラインなど〉)をはじめとするマウスピース型の矯正治療が完了したあと、「後戻り」という言葉を耳にして不安に感じている方は少なくありません。矯正治療は歯を動かすだけで終わりではなく、動いた歯を新しい位置に定着させる「保定」のステップが非常に大切です。このページでは、後戻りが起きる仕組み・原因・リテーナー(保定装置)の種類と使い方について、わかりやすくご説明します。
- マウスピース型矯正装置の治療後に後戻りが起こる理由
- リテーナー(保定装置)の種類と選び方のポイント
- 後戻りを防ぐために日常生活で意識できること
矯正治療が終わったのに歯が動く?後戻りへの不安とよくある誤解
「せっかく矯正したのに、少し経ったら歯が元の位置に戻ってきた気がする」という声は、矯正治療を経験した方から聞かれることがあります。そのような経験をされた方、あるいはこれから矯正を検討していて保定期間が心配な方にとって、後戻りへの不安は大きなテーマのひとつです。
まず、よくある誤解として「マウスピース型矯正装置は取り外しができるから、後戻りしにくいのでは?」と思われる方がいらっしゃいます。しかし、装置の種類にかかわらず、矯正治療後の保定はすべての矯正治療で必要とされています。ワイヤーを使う矯正でもマウスピースを使う矯正でも、治療が完了した段階では歯を支える骨やまわりの組織がまだ安定していない状態にあることが多く、一定期間リテーナーを使って歯の位置を維持することが求められます。
倉敷市を中心に岡山県内で矯正治療を検討されている方の中にも「保定期間は何年くらい必要なの?」「リテーナーをつけるのが面倒になったら歯が戻ってしまう?」といった疑問をお持ちの方が多くいらっしゃいます。こうした疑問に、ひとつひとつお答えしていきます。

後戻りが起きる仕組みと主な原因をわかりやすく解説
後戻りとは、矯正治療によって整えた歯並びが、治療完了後に少しずつ元の位置へ戻ろうとする現象のことです。その背景には、歯や顎の構造的な特徴が関係しています。
Point 01 歯と骨の関係
歯を動かした後、骨はまだ「仮の状態」
歯は歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨の中に埋まっており、矯正治療中は少しずつこの骨が吸収・再生を繰り返しながら歯が動きます。治療完了直後は、歯の周囲の骨や歯根膜(しこんまく)がまだ新しい位置に完全に馴染んでいない状態にあるとされています。この期間中にリテーナーをしっかりと使わないと、歯が元の位置に戻ろうとする力が生じやすくなります。
Point 02 筋肉・舌・習癖の影響
歯並びは口まわりの筋肉バランスにも影響される
歯の位置は、唇・頬・舌といった口まわりの筋肉のバランスによって日常的に影響を受けています。舌を前歯に押し当てる癖(舌突出癖)や口呼吸、指しゃぶりなどの習慣が続いている場合、歯並びに継続的な力がかかり続けるため、保定中であっても後戻りのリスクが高まる可能性があります。
Point 03 加齢・成長による変化
成長期の変化や加齢も歯並びに関係する
子どもや10代の方の場合、治療後も顎の成長が続くため、成長の方向や量によっては歯並びが変化する可能性があります。また成人の方でも、加齢とともに歯が少しずつ動く「生理的歯科移動」が生じるとされています。これは矯正治療をしたかどうかにかかわらず起きうる変化で、個人差があります。
後戻りが起きやすいとされる場面
後戻りが起きやすい場面として、保定期間中にリテーナーの使用をやめてしまったケースや、歯ぎしり・食いしばりなどの習癖がある場合が挙げられます。また、矯正治療計画の段階で口腔筋機能(MFT)のバランスが十分に整っていない場合も、歯並びが安定しにくいことがあるとされています。いずれも個人差がありますので、気になる場合はご担当の歯科医師に相談することをおすすめします。すべての方に当てはまるものではありません。

リテーナー(保定装置)の種類と特徴を比較してみましょう
リテーナーとは、矯正治療後に歯の位置を保持するために使う装置のことです。大きく分けると「取り外しができるタイプ」と「歯に固定するタイプ」の2種類があります。それぞれの特徴を整理してみましょう。
取り外しができるリテーナー
食事・歯みがきのときに自分で外すことができます。清潔に保ちやすい反面、使用時間が不足すると効果が十分に得られない場合があります。
✅ メリット
- 食事・歯みがき時に取り外せる
- 口腔内の清掃がしやすい
- 装置の清潔を保ちやすい
- 種類が複数あり、状態に合わせて選択の幅がある
⚠ 注意点・リスク
- 自己管理が必要(装着時間の不足に注意)
- 紛失・破損のリスクがある
- 着け忘れが続くと後戻りの可能性がある
- 装置の劣化・変形により作り直しが必要になることがある
固定式リテーナー(ボンデッドリテーナー)
歯の裏側に細いワイヤーを接着して固定するタイプです。自分で外せないため使用時間の管理が不要ですが、歯みがきに工夫が必要です。
✅ メリット
- 着け忘れがなく、保定の安定性が期待されることがあります
- 表側からは見えにくい
- 特定の歯に集中して保持力をかけやすい
⚠ 注意点・リスク
- 歯と歯の間のフロスが使いにくくなる場合がある
- ワイヤーまわりの歯垢が溜まりやすいため、丁寧なケアが必要
- ワイヤーが外れた場合は速やかに受診が必要
- 取り外しができないため、歯科医師でないと対応できない
リテーナーの種類や使用期間は、治療した歯並びの状態・年齢・生活スタイルなどによって異なります。どのタイプが適しているかは、担当の歯科医師が診察をもとに判断します。自己判断でリテーナーの使用を中断することはお控えください。また、リテーナー使用中に痛みや違和感が生じた場合は早めにご相談ください。本治療は自由診療となります。治療費・期間・通院回数には個人差があります。

保定期間中に後戻りを防ぐために意識できること
矯正治療後の保定期間は、歯並びを定着させるためにとても重要な期間です。この期間中に日常生活でできることをいくつかご紹介します。
リテーナーの正しい使い方を習慣にする
担当の歯科医師から指示された時間・頻度でリテーナーを使用することが、保定の基本です。特に治療完了直後の数か月は歯が動きやすい時期とされています(個人差があります)。リテーナーの着脱・保管の方法については、担当医からの説明をよく確認しておきましょう。
口腔筋機能(MFT)のバランスを整える
舌の使い方・呼吸の仕方・嚥下(飲み込み)の癖が歯並びに影響することがあるとされています。口腔筋機能療法(MFT)は、これらの筋肉バランスを整えるためのトレーニングです。矯正治療と並行してMFTに取り組むことで、治療後の歯並びが安定しやすくなることが期待されます(効果には個人差があります)。
定期的な保定チェックを受ける
保定期間中は定期的な通院で歯の位置を確認することが大切です。問題の早期発見・早期対応のためにも、指定された通院スケジュールを守るようにしましょう。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。メールからのご相談も受け付けています。

ロッソ矯正歯科が保定・後戻り対策で大切にしていること
岡山県倉敷市新田にあるロッソ矯正歯科では、治療中だけでなく治療が完了した後も患者さんの歯並びをしっかりサポートする体制を整えています。矯正専門医院として、保定に関するご説明・フォローアップを大切にしています。
- 矯正専門医院だからこそできる一貫したサポート:矯正治療の開始から保定完了まで、専門的な視点で一貫して診ることができます。治療中に気になることがあれば、担当医に気軽にご相談いただけます。
- 口腔筋機能療法(MFT)への取り組み:歯並びの後戻りに関係する口まわりの筋肉バランスを整えるMFTに力を入れています。0歳〜5歳のお子さまを対象にした歯並び予防の取り組みも行っており、早い段階から口腔機能を育てるアプローチを大切にしています。
- 歯科用CT&iTero element(口腔内スキャナー)の活用:精密な診断のために、歯科用CTおよびiTero elementを導入しています。治療前・治療中・保定期間のデータを活用し、個々の状態に合わせた対応が可能です。
- 完全個室の診療室でプライベートな空間を確保:診療室は完全個室のため、保定についてのご相談やお悩みも周囲を気にせずお話しいただけます。
- デンタルモニタリングによる遠隔サポート(条件あり):条件を満たす方には、遠隔でのモニタリングサポートを追加費用なしでご提供しています。通院の間にも状態を確認できる環境を整えています。
「80歳で20本以上の歯が残っている方々を調べると、前歯や奥歯がしっかりと噛み合い安定していたという報告があります(出典:日本歯科医師会雑誌 1999;52 茂木悦子ら)。歯並びや咬み合わせは全身の健康状態と深く関わっているとされており、矯正治療は単に見た目を整えるだけでなく、長く健康に生きるための基盤づくりでもあると考えています。保定はその大切な仕上げの段階です。治療が終わったあとも、患者さんの歯並びが長く安定して維持されるよう、丁寧にサポートしてまいります。わからないことや不安なことがあれば、遠慮なくお声がけください。」
ロッソ矯正歯科 院長 赤木 秀瑛(Akagi Hideaki)
マウスピース型カスタムメイド矯正装置の治療費・保定にかかる費用の目安
以下は当院の料金表です。保定(リテーナー)に関する費用については、治療計画の段階でご説明いたします。なお、すべて自由診療となります。治療費・治療期間・通院回数は状態によって異なります。詳しくは診察時にご確認ください。
|
項目 |
費用(税込) |
|
初診 無料相談 |
0円 ※2回目以降は別途3,300円(税込) |
|
資料採得+診断料 |
22,000円(税込) |
|
毎月の調整料 |
3,300円〜5,500円(税込) |
|
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)※成人 |
715,000円〜990,000円(税込) |
|
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザラインファースト)※混合歯列期 |
385,000円〜495,000円(税込) |
|
PBMオルソ(光加速装置)※希望者のみ |
110,000円(税込) |
|
デンタルモニタリング(遠隔診療) |
追加費用なし(条件あり) |
上記はすべて自由診療の費用です。レントゲン等の追加処置を行う場合は別途費用が発生することがあります。治療済みの歯が多いなど難症例の場合、難症例加算として追加費用をいただくことがあります。治療費・期間・通院回数はお口の状態によって異なります。

後戻りとリテーナーに関するよくある質問
マウスピース型矯正装置の治療後、リテーナーはどのくらいの期間使う必要がありますか?
保定期間の目安は一般的に数年程度とされていますが、歯の状態・年齢・治療内容によって大きく異なります(個人差があります)。多くの場合、治療完了直後は1日の大半を装着し、時間の経過とともに夜間のみの装着に移行するといった段階的な方法がとられることがあります。詳しくは診察時にご確認ください。
リテーナーをつけ忘れた日が続いたら、どうすればよいですか?
数日リテーナーをつけ忘れた場合でも、まず担当の歯科医師に相談することをおすすめします。自己判断でリテーナーを強引に装着しようとすると、歯やリテーナー本体を傷める可能性があります。状態を確認したうえで、適切な対応についてご説明します。お気軽にご連絡ください。
後戻りが気になったとき、再治療は可能ですか?
後戻りの程度によっては、リテーナーの再調整や矯正治療の再開が選択肢になる場合があります。ただし、後戻りの状態・程度・原因はお口の状態によって異なりますので、まずは診察でご確認ください。倉敷市新田のロッソ矯正歯科では初診相談を無料で行っていますので、気になる場合はお気軽にお問い合わせください。
この記事のまとめ
- 後戻りは矯正装置の種類に関わらず起こりうる現象であり、保定(リテーナー)による対応がすべての矯正治療後に必要とされています。
- 後戻りの原因には、歯槽骨のリモデリング(骨の馴染み)・口まわりの筋肉バランス・成長・加齢などが関係しているとされています(個人差があります)。
- リテーナーには取り外しができるタイプと固定式タイプがあり、それぞれにメリット・注意点があります。担当医と相談のうえ、状態に合ったものを選ぶことが大切です。
- 口腔筋機能療法(MFT)を取り入れることで、口まわりの筋肉バランスを整え、歯並びが安定しやすくなることが期待されます(効果には個人差があります)。
- 保定期間中も定期的な通院を続け、担当医のサポートのもとで歯並びの維持に取り組むことが大切です。
後戻りやリテーナーのことが気になったら、まずはご相談ください
岡山県倉敷市新田のロッソ矯正歯科では、初診相談を無料で承っています。保定のこと・後戻りのこと・治療中の疑問など、どんな些細なことでもお気軽にお話しください。メールでのご相談も受け付けています。
お気軽にご相談ください。メールからのご相談も受け付けています。 お電話でのご相談:086-441-2306
診療時間:月・火・水・金 10:00〜12:30 / 14:00〜18:30 土・日 9:00〜12:30 / 14:00〜17:00
※月曜・日曜は隔週ごとに交互休診 休診日:木曜・祝日
〒710-0038 岡山県倉敷市新田3206-3 JR倉敷駅より車12分 駐車場11台完備
著者情報
ロッソ矯正歯科 院長 赤木 秀瑛

略歴
2011年 神奈川歯科大学 卒業
2011年 岡山大学病院卒後臨床研修センター 歯科臨床研修
2012年~ たい矯正歯科 常勤
ちゅうりっぷ歯科 非常勤
2015年~ 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 顎口腔再建外科学分野 社会人大学院生
2019年 日本成人矯正歯科学会 認定医取得
2021年 ロッソ矯正歯科 開院
資格
歯科医師
衛生検査技師
日本成人矯正歯科学会 認定医
所属学会
日本矯正歯科学会
日本成人矯正歯科学会
日本舌側矯正歯科学会
日本口蓋裂学会
日本小児歯科学会
日本先進矯正歯科学会